冷凍カニのむき身(ポーション)とは?通販で届く状態をチェック

通販で購入するカニのむき身(ポーション)は、茹でたカニの殻をむいたものではなく、生カニの殻をむいた状態で冷凍されたものです。商品名としては「かにむき身」「かにしゃぶ用」「かにポーション」などと表記され、ほとんどが生カニを使用しています。
このタイプのカニは、解凍に失敗すると水っぽくなったり臭みが出たり、黒く変色することがあります。正しい解凍方法と保存方法を知っておくことが、美味しく味わうポイントです。
冷凍のカニは、数本ずつビニール袋にまとめられ、厚い氷の膜(グレース)に覆われた状態で届きます。使う分だけ取り出して、残りはチャック付きの冷凍保存袋に入れ、すぐに冷凍庫で保存してください。

あの氷の膜、ジャマだと思ってたけど、実は守ってくれてたんだね…!
美味しく食べるために重要!冷凍カニの正しい解凍手順
冷凍カニの解凍は、食べる直前に行うのが基本です。最もおすすめの方法は「流水解凍」です。以下の手順で行いましょう。
- タライやボウルに水を張り、凍ったままのカニが入った袋ごと入れる
- 上から水道水を細く流し続ける
- 5〜10分後に一度チェックし、氷の膜が溶けて袋の中に水がたまっていれば、袋の上から触って確認
- 表面だけ溶けている場合は、さらに数分続ける
- 周囲が柔らかく中心がまだ凍っている「半解凍」状態になったら完了
- ザルなどで水を切って、すぐに調理する



半解凍がベストって難しそうだけど、慣れたら簡単です♪
解凍してみました
かに本舗のむき身満足セットを解凍してみました!
届いたカニは凍っているので、部位ごとに分けて袋詰しておくとあとから便利です。これは肩肉の部分を流水解凍した写真です。袋ごと流水にさらします。


グレースが溶けると、このように水が溜まります(水は捨てます)。


ざるにあけて、水気を切っておきます。この段階ではまだ少し凍ってますが、この状態で鍋などに使います!


グレース(氷の膜)って何?
冷凍カニの表面を覆っている氷の膜は「グレース加工」によるものです。これは冷凍焼けを防ぎ、カニの品質を保つために必要な処理です。真空パックでは対応しにくいカニ特有の保存方法として、多くの通販商品で採用されています。
解凍時にはまずこの氷の膜が溶け出しますが、氷が溶けた水に長く触れるとカニの旨味が流れ出してしまいます。袋のまま流水解凍することが大切です。



グレースって名前、ちょっと優雅な感じする〜!でも仕事はめちゃ重要だね
冷凍カニを美味しく保存するためのポイント
通販で届いたカニはそのまま袋ごと冷凍庫に入れても大丈夫ですが、より美味しく食べるためにはいくつかのコツがあります。
蟹は箱で届きますが、すぐに小分けしておくと後で使うときに便利です。鍋セットのように部位がわかれているものは、パーツごとにまとめておくと料理にあわせて使い分けができます。


保存の基本
- パーツごとに小分けしてチャック付き冷凍袋に入れる
- 袋の空気をしっかり抜いて密閉
- 保存期間の目安は2週間〜1ヶ月程度
冷凍庫の整理も大切
カニの注文をしたら、到着までに冷凍庫を整理しておきましょう。保存スペースを確保することで、カニの品質を保ちやすくなります。上下2段の冷凍庫の場合は、温度変化の少ない下段で保存するのがおすすめです。
100円ショップのファイルボックスなどを活用して仕切ると、収納・取り出しもスムーズです。



冷凍庫の整理、つい後回しにしちゃうけど、これも「カニ活」の一部よね!
再冷凍はNG
解凍したカニは再冷凍しないでください。グレースが溶けた状態で再冷凍すると、乾燥や酸化が進み、品質が大きく低下します。また、生のむき身は特に食中毒のリスクが高いため、解凍後は当日または翌日に加熱して食べ切りましょう。
余ったカニはチャーハンや汁物の具、ピザトースト風など加熱料理に使うのが◎です。



余ったら…カニチャーハンかピザトースト、お弁当の卵焼きに入れてくれると嬉しいな♪
絶対NG!やってはいけない解凍方法とその理由
電子レンジでの解凍はおすすめできません。レンジは温度ムラがあり、ドリップが出たり、身が焼けたようにパサパサになってしまいます。特にカニのむき身は、半解凍の状態が最もおいしく仕上がるため、レンジ解凍では台無しになる可能性が高いです。
また、自然解凍も避けましょう。特に生カニは「黒変(こくへん)」と呼ばれる変色が起こりやすく、見た目が悪くなります。これは、カニの体液が酸化することによって起こる自然現象で、ズワイガニによく見られます。
解凍後に放置するのも黒変の原因になります。解凍後はすぐに加熱調理を行いましょう。



電子レンジで解凍…それだけはやめとこっ!
解凍後にカニが塩辛い?原因と塩抜きのやり方
通販で購入したカニが塩辛く感じることがあります。これは「ブライン冷凍」という製法による可能性があります。濃い塩水(ブライン液)にカニを漬けて急速冷凍することで、保存性を高める方法ですが、塩味がカニに移ってしまうことがあります。
塩気が気になる場合は「呼び塩(迎え塩)」という塩抜き方法を試しましょう。
塩水の作り方:水1カップに塩小さじ1/2を溶かし、解凍済みのカニを5〜10分漬けるだけ。薄い塩水を使うことで、浸透圧によってカニの旨味を保ったまま塩分を和らげることができます。
解凍後すぐに少量を茹でて試食し、塩辛さを感じたら塩抜きを行うのがおすすめです。



呼び塩って、名前もなんかカッコいい!やってみたーい♪
解凍タイミング&調理のポイント
解凍は必ず調理の直前に行いましょう。長時間放置すると黒変や風味の劣化につながります。
また、鍋料理に使う場合でも凍ったまま入れるのは避けてください。急激な加熱で身が縮み、旨味が流れ出てしまいます。しゃぶしゃぶの要領で、半解凍の状態で火を通すのがベストです。
煮込みすぎも禁物。火が通りすぎるとカニの食感が損なわれてしまいます。鍋の中では軽く火を通す程度にしましょう。
冷凍カニを美味しく食べるためのQ&A
Q. 解凍したら黒くなってしまったけど食べられる?
A. 黒変は自然現象で、見た目は悪くなりますが味や安全性には問題ありません。
Q. 残ったカニはどう保存すればいい?
A. 解凍後の再冷凍は避け、すぐに加熱調理して冷蔵保存し、当日または翌日中に食べ切りましょう。
Q. 解凍後、どれくらいで食べきればいい?
A. 解凍後はできるだけ早く(2〜3時間以内)に加熱して食べ切るようにしましょう。
通販カニを選ぶときのちょっとしたコツ
解凍方法や保存方法自体は通販会社によって大きな違いはありませんが、ショップによって記載されている解凍手順や扱う商品の品質には差があります。
「おいしい解凍方法」が丁寧に記載されているショップを選ぶと安心です。購入前に少量を試食するのもおすすめ。信頼できるショップを選んで、失敗なく美味しいカニを楽しみましょう。



カニ選びは、お店の【説明書き】もチェックポイントよ〜!

